中核的教育研究拠点形成、医薬保工連携・融合医科学班 重点戦略中核拠点形成 −可視化と個別化医療−
 
 

班員プロフィール

川井恵一(保健学グループ代表)
金沢大学医薬保健研究域・保健学系 教授
金沢市鶴間町 鶴間キャンパス
電話:076-265-2527
E-mail:kei@mhs.mp.kanazawa-u.ac.jp

研究項目:生体機能イメージングビジュアルキネティックスの確立

  1. 放射性機能分子による代謝機能診断用分子イメージング:代謝機能解析用画像診断薬の開発
    生体は、細胞レベルでの緻密な生命活動を正確かつ迅速に行うために、さまざまな機能性分子を発現させ利用している。中でも、トランスポーター、酵素、レセプターなどの機能性タンパクは代謝や生命活動に重要な役割を果たしている。本研究室では、主にトランスポーターや情報伝達物質生合成酵素などを標的分子とし、それらに親和性を有しかつ画像診断に必要な放射性核種を分子内に導入した放射性診断薬を分子設計・評価している。このような代謝や情報伝達に重要な機能性分子を標的とした代謝機能解析用画像診断は、近年注目を集めている「分子イメージング」の先端的研究に位置づけられている。

  2. 癌の診断・個別化治療に用いる放射性医薬品:腫瘍の画像診断薬・内用放射線治療薬の開発
    腫瘍細胞に集積する放射性画像診断薬を用いる核医学画像診断は、癌の検出のみならず、その治療効果判定や予後評価に用いられてきた。さらに、殺細胞効果をもつ放射性核種で標識した内用放射線治療薬が開発され、外科的手術や放射線の体外照射では治療が困難な多発性転移性の癌でも、1回の注射で完全治癒した著効例が数多く報告されている。本研究室では、その放射性医薬品の癌や副作用部位への集積率を事前に確認することで薬物療法の効果予測や副作用防止を可能にし、真の個別化医療を提供する目的で、診断用核種と治療用核種の両方で標識可能な癌の画像診断薬・内用放射線治療薬を開発している。

  3. クスリの効果を高め、副作用を低減する:医薬品の体内動態制御法の開発
    生体に投与された薬の有効成分は、吸収された後に高分子に結合し、あるいは体外に排泄されるなどにより、標的組織へ到達するものは僅か数%にも満たない。このような薬の有効成分の標的集積阻害要因を制御することで、同じ薬効成分を同じ量投与した場合でも、その薬効を増強し副作用を低減できる。本研究室では、薬の血清タンパク結合や腎臓排泄を制御する方法を考案し、画像診断薬に対する動態制御法の適応効果をイメージングで可視化により実証して国際特許も取得した。これらの研究成果を基盤として、診断薬のみならず治療薬もより効果的に使用するための体内動態制御法にも取り組んでいる。


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